生化学検査部門
患者様からお預かりいたしました血液を大・中・小の自動分析装置を使用して、より正確・迅速に検査を実施しております。
中央検査室内
生化学検査部門は、体内の糖成分、窒素成分、酵素、脂質、無機質などの抗体力価などの成分を定量的に測定する検査です。身体に異常がある場合血液中の種々の成分は通常範囲を超えて増加したり減少したりします。そのため、これらの成分を測定することにより病気の存在を知る上で大変重要です。
生化学部門は、主として患者様から採血して得られた血液を遠心分離して得られる『血清』といわれる成分を用いて検査を実施します。他に尿や髄液などの体液を用いて検査する事もあります。
1.生化学検査
糖成分(血糖・A1c etc)、窒素成分(TP etc)、酵素(AST etc)、脂質(TG etc)、無機質(Na・Cl・K・Ca etc)などを検査測定しています。凍結保存検体の管理をしています。
血糖・A1c測定装置
(GA-1171 1台・HA-8181 2台)
検査項目
(血糖・尿糖・血糖負荷試験・A1cなど)
生化学自動分析装置
(BM-6070 2台)
検査項目
(TP・ALB・BUN・UA・CREA・T-cho・TG・HDL-c・LDL-c・ZTT・TTT・T-BIL・D-BIL・ALP・AST・ALT・LDH・LAP・CPK・CK-MB・ガンマ-GTP・ChE・AMY・P-AMY・Na・K・Cl・IP・Ca・Fe・GLU・CRP・ASO・C3・C4・IgG・IgA・IgM・RPR・TP抗体・GA・Lipase・FER・UIBC・RF・U-AMY・U-Na・U-K・U-Cl・U-CRE・U-UA・U-BUN・U-Ca・U-IP・尿中微量ALB・尿蛋白・尿糖)
検査項目
【糖成分】
血糖(グルコース)は主に、糖尿病の検査に用いられています。関連項目としてGA(グリコアルブミン)とHbA1c(ヘモグロビンA1c)があげられ、血糖値は現在の、GAは、2週間前の血糖値、HbA1cは1ヵ月前の血糖値をそれぞれ反映します。
【尿素成分】
N(窒素)を含むものでTP(総タンパク)、ALB(アルブミン)、BUN(尿素窒素)、CRE(クレアチニン)、UA(尿酸)などが挙げられます。体にとって重要な栄養源であるタンパク質、その代謝産物を測定することにより、栄養状態が推定できます。BUN(尿素窒素)、CRE(クレアチニン)、UA(尿酸)の3項目は、腎臓能検査に有用です。
【酵素】
AST、ALT、LDH、ALP、ガンマ-GTP、CPK、AMYなどが代表的で、他にも多くの酵素がありますが、各酵素を測定することにより、どの臓器にどの程度障害があるかを推定できます。AST、ALT、LDH、ALP、ガンマ-GTPは肝臓機能検査の指標として有用です。
【脂質】
T-cho(総コレステロール)、TG(中性脂肪)、HDL-c(HDLコレステロール)、LDL-c(LDLコレステロール)など体のエネルギー源として重要な働きを持つ成分です。生活習慣病の指標となります。
T-cho(総コレステロール)、TG(中性脂肪)、LDL-c(LDLコレステロール)が増加し高脂血症になると動脈硬化の原因となり、心筋梗塞、狭心症などの心臓病、脳梗塞などの脳血管障害を引き起こします。
【無機質】
電解質(Na・Cl・K)、Ca(カルシウム)、IP(無機リン)、Fe(血清鉄)などが挙げられ、電解質は、細胞内液と細胞外液のバランスを保つ働きをしており、腎臓機能検査にも有用です。また、Fe(血清鉄)は赤血球のヘモグロビンの構成に最重要な元素の1つです。
《検査を受ける時の注意事項》
・血糖
食後30分位から上昇し始めるため、食後の血糖値が、空腹時の血糖値と判断される事があります。もし、採血前に食事をしてしまった場合は、申し出てください。
・TG(中性脂肪)
脂質検査の1つですが、血糖と同様に食事後上昇し始め、6時間程度は影響を受けるといわれています。もし、採血前に食事をしてしまった場合は、申し出てください。
・過度のアルコール摂取で上昇する酵素
ガンマ-GTPが代表的で肝由来の酵素が上昇します。
・過激な運動で上昇する酵素
CPKは筋組織に多量に存在するために上昇するといわれています。