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会議録(平成25年7月9日)

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医療安全体制等検証委員会 第5回委員会 会議録

 

日 時:平成25年7月9日(火曜日)
17時00分~
会 場:第1会議室

 

出席者
委 員、3名
調査チーム、3名
職 員、28名
事務局、3名

〔第5回委員会〕

1 開会及び資料確認

2 議事(議長=委員長)

(1) 医療安全体制の検証
ア 感染対策について

〔調査チーム〕
一言で言うと非常によく体制が作られており、参考になるところが多々あった。非常にハイレベルな施設であると、調査に入ったスタッフ一堂共通の感想である。
これから細かなところに入るが、メジャーな問題というところは無く、コメントもマイナーなところに限られている観がある。
報告した項目は、国立大学病院感染対策協議会が出している統一したチェック項目に準じて行った。
まず、感染対策マニュアルの報告として感染対策の組織に関してであるが、入院基本料算定要件に規定されている構成員で構成されているかということが重要になるが、感染対策委員会、感染管理室、感染対策チームが組織されており、特段問題点はない。あえて言うと、感染対策委員会や感染対策チームの設置要綱に職種の記載があるが、該当する者が誰か、今年度は誰かという一覧表の作成や任期の規定が望まれる。
マニュアルにはあるが、委員会の名簿やチーム員の名簿が一緒になっていると、マニュアルを利用する者にメリットが無いことから改善点となっている。
組織の中に感染管理室があるが、感染管理室が実際にどういう組織なのか設置要綱が見当たらない。マニュアル上に、権限やメンバー、組織などが分からないという点があった。感染管理室という組織が活用しやすくなるように、組織がどういうものかということを明文化されるようお願いする。
感染対策の委員会に関しては、毎月1回定期的な会議が開催されているが、欠席者が出た場合にその代理出席が求められていない。代理者が出る必要があると思われる。時系列で継続的に欠席者や代理出席を簡単に把握できる出席表が作成されると良いと思う。代理出席が多い委員は、交替をした方が良いとの判断材料にもなると思う。
議事録に関して、内容は非常に適正に記載されており、記録として充分であったが、作成は業務の合間を縫って臨床検査技師が担当している現状であった。専門的な文言や表現のことなど医学的なスキルが求められる業務内容であるからとの説明であったが、将来的に業務が拡大していくとボランティア的に行っていくのは無理であることから、専任で関わる事務系スタッフを確保していく必要があると考える。
続いてICT活動であるが、感染対策マニュアルは適宜改訂され、内容としても充実したものとなっており、すばらしいと感じた。さらに加えるならば、年々改訂されていくが、どこが改訂されたのか、改訂の経緯と内容を簡単に把握できる履歴の作成と保存が望まれる。また、マニュアルが改訂された時は、できるだけ速やかに院内へ周知する必要があるが、情報交換の場を設けるなど広報の周知手段も検討していく必要があると考える。
教育活動に関しては、年間2回以上の講習会が開催されており、出張講習会の実施は特にすばらしいと感じ、感染管理室の努力姿勢が見受けられる。しかし、職員一人当たりの出席率や職種別の出席率などが算出が不十分であり、出席率をどのように改善するかの検討データとして十分活用されていないことが残念であった。実際に参加回数が0回という職員も出てきてしまうと思うが、そうした職員を把握して、参加させるようさらに工夫があれば良いと思う。
情報の発信については、ICTニュースや院内通知で必要な情報は随時発信されていることを確認した。ニュースなので発信はするが、実際に現場にどのように浸透されているのか確認できるアイテム、例えば名簿に名前を記載するという簡単な仕組みもあるので、是非検討いただければと思う。ポスターコンテストなど、感染対策に関心を持たせる良いアイデアが取り入れられている。
次にサーベランスとコンサルテーションであるが、サーベイランスに参加しており、これは検査部門の参加が望ましいとする努力項目であるが、参加することは非常に良いことである。また、MRSAの検出データを半期ごとにアップして、各病棟、各診療科にフィードバックされており、問題はない。その他の検査データについても集めているようなので、蓄積されたデータを活用していけば、市立甲府病院の状況を反映した検出や改正の状況を見ることができるので、そういったローカルな状況を反映した現場介入の目安といったものを作っていくことができると考える。ターゲットサーベイランスは、カテーテル関連血流感染サーベイランスが2病棟で継続的に実施されているということで、非常にすばらしい状況であった。なかなかできないことである。
アウトブレイクが発生した場合の介入では、早期に介入されており最小範囲で制圧されているという印象を受けた。こうした介入を行った事例は、発生経過、データ、具体策、結果がどうなったかまでの一連の経過が記録に残されており、後日外部から調査が入った場合に、どういう事例でどういう経過であったかを非常に簡単に把握することが出来ると感じた。
続いて、広域抗菌薬・抗MRSA薬に関して、届出制や許可制がとられており、感染管理室に所属する薬剤師・医師により全例に監視されている状況が確認できた。許可制を取っている薬剤に関しては不許可の事例が出てくると思うが、申請書に不許可の理由の欄を設けると内容がさらに充実すると考える。また、適正使用に関して各診療科で横断的に話題とすることは非常に難しいことであるが、今後、横断的な指導や介入をどのように行っていくかが課題と考える。
次に、現場からのコンサルテーションを受けた場合、感染管理室に簡単・迅速に相談できる体制が確保されており、内容によって誰に振り分けるか、誰に相談したらよいか専門分野の室員への振り分けがされており、これも良いと思う。コンサルテーション内容の記録が残されているので、現場でどのような場合に困っているのかなど、その内容を集計・分析して、今後の感染防止対策の見直しに活用すれば、さらに良いと感じた。
職業感染防止は非常に重要なことであるが、HBs抗体に関して新採用者と中途採用者に対する検査体制が構築されており、漏れがないことが確認できた。また、抗体価も非常時に感染管理室においてデータを活用することが可能となっており、何か事故があった場合に、曝露後対策が実施できる体制がとられている。現在、対策がとられている結核、麻しんに加え、風疹、水痘、流行性耳下腺炎に関しても、今後、同様の体制が構築されることが望まれる。また、個人情報に関することであるが、個人情報の観点からは職員の承諾を得るような方策を検討していただければと考える。
ICTラウンドについては、毎週1回の実施が求められているが、最低でも週1回実施されていることが確認された。ラウンド結果を受けて、現場からは指摘事項に対する改善報告が2週間以内に上がってくる仕組みが構築されており、大変すばらしいと感じた。上がってきた改善報告書に関して実施されているかどうかについての再確認がされており、再確認された場合は報告書に捺印して保管されるというすばらしい流れとなっている。あえてコメントすると確認を行った日付が無いので、いつ確認したか日付を残すようにしたほうが良いと思う。また、年間を通じてどのセクションで実施したかを把握するために一覧表として管理したほうが良いと思う。
次に、実際に実地ラウンドを実施した結果について報告する。
まず外来関係であるが、外来入口に手指消毒剤を複数並べてあり、外来に来た人も、出て行く人も視野入る場所に設置されているので、非常にわかりやすく、大変よろしいかと思う。咳エチケットに関する掲示もあり、外来患者自身への啓蒙策も取られている。非常に難しいことなのであるが、あとは実効性をどのように高めていくかということであり、今後さらに工夫していく必要があると思う。また、咳エチケットに関して、マスクは売店で購入できるとのことであるが、患者の動線を考えると、売店に行かずとも購入できるような、例えば入り口付近のエレベータホールや病棟の談話室などの必要時に購入しやすい、自販機の導入なども検討していただければ良いかと思う。
次に、外来処置室であるが、理想としては感染性の患者を隔離して診察するスペースや採疾ブースの設置が望まれる。出来る限り必要時に隔離対応がスムーズに出来る設備面での整備の検討が必要かと思う。
また、診療科の診療ブースに手指消毒剤が設置されていない箇所があったので、診察室周囲の環境整備をさらに行っていく必要があるかと考える。
シンク周りに手を洗うスペースがあるが、その横にちり取りが置かれており、手を清潔にするところに不潔なものを置かないという区分けの考えを取り入れていく必要があると考える。
また、固形石鹸や乾きにくいスポンジなども見受けられ、最近は固形石鹸を使わないことになっている。どういう目的で使用するのか、スポンジは乾きにくく細菌汚染の温床になるので、どのように廃棄していくか交換していくかなどの統一した基準が必要と考える。
次に採血をする中央処置室では、手袋を着用して、主に採血業務であるが、非常に手袋着用率が高い状況であった。手袋の交換のタイミングやその際の手指衛生行動の徹底に関しては、引き続き指導を続けていただきたいと思う。
次に検体搬送用のリニア搬送機のラック緩衝材の白いスポンジ部分に尿検体の付着があり、検体容器外面を汚染する可能性があるので、運用に関して改善が必要と考える。
作業台の上に採血前の試験管があったが、少し下の離れたところに採血後の汚染された可能性のある物品や尿検体のラックが置かれている状況があり、清潔物品と感染の疑いのある不潔物品との区分に工夫が必要であると考える。
次に、外来通院治療センターについて、室内は清潔が保たれていたが、棚の上に青いラックに入った紙ベースの書類が置かれている状況があり、埃などが溜まりやすく日常的な清掃が困難な状況が認められた。棚の上には極力物を置かないようにし、清浄度をもう少し高く保つ工夫が必要かと考える。
通院治療室入り口付近は、簡易的な棚が設置されており、いろいろなものが置かれていた。清潔なリネンの隣に一般ゴミや感染性廃棄物が置かれており、清潔なものと不潔なものが混在している。清潔と不潔の区域分けをし、清潔なリネン類は塵がつかないよう扉付きの棚などを設置し収納するなど、区域分けの検討が必要と感じた。
病棟では、各病室に手洗い場が設置されており、蛇口の周りは乾燥した状態で管理され、非常に良いと思う。ペーパータオルが見当たらない場所があり、自動水洗ではない場合にはペーパーを使って水を止めることが理想とされているので、ペーパータオルの設置について配慮していただけると良いと感じた。また、手指消毒剤が各病棟に設置されており、入退室時に患者も利用しやすい利便性に配慮した設置がされていた。
スタッフステーション内の点滴台周辺は、非常に整理整頓されており、使いやすい状況となっていた。構造上の問題で仕方のないことであるが、点滴台の上に空調があり、清浄エリアに埃などが降ってくる心配があるので、挨などが落ちてこないように、定期的な空調清掃が重要と考える。
調剤時に使用するマスク、手袋、点滴台を清拭するための消毒用エタノール等の物品配置は、看護師など実際に作業する者の目線にあわせた効率的な配置を検討し、改善していく必要があると感じた。
清潔と不潔の区域分けの話になるが、ゴミを捨てるスペースが点滴台の下にあり、血液などが付着したものが、点滴などの清潔なものを扱う台の周辺に無いよう動線に合わせた配置場所などの改善が必要と考える。
各病棟には担当薬剤師が配置されており、適正な薬品管理に関して非常に良い体制が整っている。薬品の保存用の冷蔵庫は内服、注射、外用薬の区域分けを誰にでも判るように明確にすると良いと考える。また、設備面の安全管理に関わってくるが、冷蔵庫の温度管理が必要と感じた。冷蔵庫に設置するデジタル温度計で温度の記録はされているが、実際にデジタル温度計が正しい温度を示しているかの補正がされていない。庫内の温度の管理については、デジタル温度計の他に検定済の温度計を用いての定期的な検証が必要と考える。
次に、患者などがお礼の気持ちなどで置いていくものとも思うが、鉢植えや生け花など、湿った土の上の植物がスタッフステーションの台上にある箇所が見受けられた。緑膿菌やアスペルギルスなどの発生源となるので、置かないようにし、見舞者や患者、スタッフに対して、引き続き協力を依頼していく必要があると思う。

〔委員〕
感染対策の組織、ICT活動、外来と病棟の指摘等に関して、市立甲府病院側からの検討状況の説明をお願いする。

〔事務局〕
感染対策の組織の感染対策委員会・感染対策チームの設置要綱に一覧表の作成や、任期の規定が望まれるとのことについてであるが、院内感染防止対策委員会・感染対策チームの構成員は、院内感染防止対策委員会・感染対策チームの要綱に記載されており、一覧表についても作成した。しかし、構成員の任期について記載されていないため、院内感染防止対策委員会・感染対策チームの要綱を改訂し任期を記載する。
次に、感染管理室に関する設置要綱が策定されていないということについては、感染管理室は、甲府市事務分掌規則により規定されている組織であり、院内感染防止対策委員会の方針に従い、感染対策の中核組織の一つとして活動している。感染管理室の感染対策に関する具体的な活動や権限は、今年度中に感染防止対策マニュアルに明示する予定である。
欠席者への代理出席については、当院の規模では、なかなか代理出席を出すのは困難な状態であるが、セクションへ確実に委員会の内容を周知していくために、1名は出席できるよう指導していく。また、出席状況については一覧表を作成しているが、正式に記録として残すようにする。
議事録は、事務担当者が作業を分担することで作成することとした。
ICT活動に係る感染対策マニュアルの改訂履歴の作成と広報については、改訂時には改訂日を記載していたが、改訂内容の記載が無かったので、次回改訂時からマニュアル更新履歴を作成することとした。また、マニュアル改訂時には、ICT ニュースで院内に広報しているが、改訂内容がわかるように通知も配布し、院内全体に周知できるようにしていきたいと考えている。
研修会の出席率データを改善計画に十分活用していないとのことについては、職員が年2回以上研修会に出席するよう関係部署に働きかけているが、職員一人一人の出席回数などの出席率は出していなかった。職員一人一人への働きかけが出来るように、今年度から、研修会への職員の出席回数や職種ごとの出席率を算出し、出席状況の把握を行ない、研修会に参加していない職員に対して通知を出すなど研修会への参加を促す活動を行っていく。
ICTニュースや院内通知が、現場に周知されたかの確認がされていないとの指摘については、今年度から、メールによる配信や回覧時の署名など、部署にあった確認方法を用いて、周知状況は感染対策チームのラウンド時に確認することとした。
サーベイランスの介入目安の明確化については、蓄積データに基づいて介入基準を明確にするようにし、マニュアルにも記載をしていく。例として、MRSAの場合は新規検出3例という形で、どの菌がどれだけ検出されたかによって介入するかを決めていきたいと思う。
広域抗菌薬・抗MRSA薬については、届出制・許可制をとっているが、その理由の記載が無いことから、薬剤部で申請書の見直しを行い、理由記載欄を設けて改善する。
抗菌薬の適正使用の介入については、当院では感染症専門医が不在であることから、感染対策チームに内科系医師・外科系医師を配置し、介入できるよう体制を整えている。
コンサルテーションの内容把握については、今年度からはどのような相談が多いのかということを統計的に処理し、多くの職員に共通している相談内容等については、マニュアルを改訂し追加していきたいと考えている。
麻しん以外に風疹、水痘、流行性耳下腺炎に関しても、同様の体制構築が望まれるとの指摘については、今年度は、風疹に関して検査と必要者に対する予防接種を実施しており、水痘・流行性耳下腺炎に関しては、来年度以降の実施を検討していくこととしている。また、個人情報の同意については、感染対策上必要となる場合には、データを感染対策チームや感染管理室で活用することについて必要時に対象となる職員個人から同意を得ているが、今後は職員全員に文書による同意を得ていきたいと考えている。
ICTラウンドについては、改善計画書の確認日を記載するとともに、ラウンドした部署が明確にわかるようになるよう一覧表を作成する。

〔委員〕
評価にもあったように、マニュアルは系統的、体系的に整理されているように見受けられた。理念から具体的な問題まで整理されている。参考文献や引用文献が、それぞれきちんと提示されているおり、非常に良いことであるが、残念ながら参考文献の表示が統一されておらず、出版社や年次が無いもの、あるのもなどまちまちになっている。何を参照しながら作ったのかという重要なことである。マニュアルに参考資料の記載で、年次が記載されているものもあるが、他のところには記載がないので、共通にすべきと考える。
また、ネット上の参考資料の提示についても、参照先の団体名は明示されているが、何時のものなのかの記載が無い。ネット上の資料として感染管理に関するガイドブックとの記載があるが、どこが出しているのかわからない。ネット上のアドレスだけを明示すればよいということではなく、どの団体なのか、いつの時点のものなのかを明示する必要がある。このアドレスを検索したところ掲載されておらず、見ることができなかった。Web上の資料とは、すぐに消えてしまう可能性があるので、その取扱いは慎重であるべきと思う。
参考文献として、うがいに係るグラフが掲載されているが、信用のおけるものなのか。団体名は有名なところであるが、データの信憑性のチェックはどうなっているのか。また、1996年のデータというものがあるが、その他の資料のほとんどは2000年以降の直近の資料であり、この部分だけが非常に古いデータとなっている。
参考資料は非常に大事なものなので、その取扱いをきちっとすべきではないかと思う。

〔委員〕
非常に重要な指摘と思う。各章の最後に文献が載っているものもあるが、乗っていない章もある。また、参考文献名だけが載っており、発行年数が記載されていない。作成責任者については苗字だけとなっており、承認の年月日は記載されている。
表記を統一し、できれば最新の文献にしていただきたいと思う。よろしいでしょうか。全て修正するのは大変なことと思います。

〔事務局〕
なるべく早く参考文献の表記の見直し等を実施する。

〔委員〕
ICT活動の検診について、今年度は風疹に関して検査と必要者に対する予防接種をしたということであるが、今年は風疹のワクチンが不足しているが、確保は充分されているのか。

〔事務局〕
風疹の流行に加え、市町村の補助事業等の影響もあり、かなり不足している状態であり、9月以降に新しいワクチンが供給されることから、陰性者に対する予防接種はそれを確保し接種を実施していくこととしている。

〔委員〕
他院でも同様の状況があり、必要者や希望者に対する接種が充分に行われていない。

〔事務局〕
正面玄関への咳エチケットのポスター掲示及びマスク自動販売機の設置については、各診療科の外来受付窓口に患者に明確に分かるようにポスター等の掲示ができていないので、上半期中にポスターの掲示を検討する。
また、正面玄関や北口玄関に設置している手指消毒剤を設置している台については、定期的な清掃を清掃業者に依頼するとともに、感染管理室でも清掃状態を確認する。
マスク自動販売機は、10月1日からは正面玄関等に設置する予定となっている。
清潔なシンクの横に埃取りが置かれていたことについては、5Sの視点からも問題であり、清潔区域に汚染の原因となるものは置かないなど清潔区域・不潔区域について意識し管理するように指導を徹底するとともに、ICTチームによるチェックを行う。
固形石鹸は、当院では使用しないこととなっているため撤去した。液体石鹸は一部詰め替え式を使用しているが、詰め替え式でない液体石鹸の配備を、来年度以降の予算に措置していくこととしている。
各診療科ブースへの手指消毒剤の設置については、外来のすべてのブースに手指消毒剤を設置するとともに、実施を促すポスターを掲示していきたいと考えている。
外来処置室スタッフの手袋の消毒については、感染対策チームや看護部感染対策ナースチーム会スタッフからも職員へ働きかけ、消毒を徹底していきたいと考えている。
検体搬送用リニア搬送機ラックの尿検体付着については、量が多いことでリニア搬送中に尿がこぼれてしまうという事例があったことから、検査に必要な量以上の尿をカップに入れないよう、検査時に患者に説明し協力を得ることとした。
台上の清潔物品と不潔物品との区分けについては、清潔・不潔の徹底を図るよう現場に指導する。
外来通院治療センターの無菌的環境整備が整っていないとのことについては、棚の上に置かれているコンテナなどは撤去し、何も置かないこととした。
また、感染対策チームで環境整備について確認し、問題がある場合は継続して整備できるよう指導していくこととした。
外来通院治療センター入口にゴミが乱雑に置かれており、清潔と不潔の区域分けがなされていないとの指摘については、定期的に整理・整頓を実施し、環境整備することとした。また、シーツなどの清潔物品は、今年度中に扉付の棚が導入できるよう関係部署と協議していくこととした。感染対策チームで適時ラウンドを実施し環境整備ができているかを確認し、継続的な整備ができるよう指導する。
ペーパータオルの設置については、一部病室にペーパータオルが設置されていないことから、感染対策上手指衛生が必ず必要な患者の病室にはペーパータオルを必ず設置していくこととし、全病室への一斉設置については、多額の費用がかかることから来年度以降に予算措置していく予定である。
空調の清掃については、引き続き埃等で汚れていないかチェックするとともに、定期的に清掃していくこととした。また、点滴台周辺の物品配置については、点滴台の点滴作成時に使用する手袋やマスク等の物品は、作業効率が適切なものとなるよう点滴台の上やカートなどに必要な物品をセットすることとした。
次に、点滴台周辺のスペースにメディカルペールが置かれているとの指摘について、メディカルペールは、病棟ではナースステーションと汚物処理室に設置しており、ナースステーションでは点滴台の周囲にメディカルペールを設置しているが、医療法の立ち入り検査時の指導に従い、点滴台から一定の距離をおいて設置している。また、看護師には湿性生体物質等に汚染された器材等による交差感染が起きないよう清潔・不潔の動線を分けるよう指導する。しかし、メディカルペールには、実際、注射針や使用した個人防護具、血液の付着した点滴ルートなどを廃棄しており交差感染が起こる可能性があることから、ナースステーションに設置しているメディカルペールには、湿性生体物質で汚染された点滴ルートや個人防護具は一切破棄しないこととした。湿性生体物質などに汚染された物はすべて汚物室に設置されているメディカルペールに廃棄し、メディカルペール付近に分別を徹底する旨のポスター等を感染対策チームで作成し貼付するとともに、ラウンド等で実際に分別ができているか確認し、必要時には指導していくこととした。なお、今年度中に、メディカルペールの撤去の可否も含め管理方法の見直しを行う予定である。
薬品冷蔵庫内の分別の徹底と温度管理については、薬品冷蔵庫内の内服、注射、外用薬について明確に区分けすることとした。また、冷蔵庫の温度表示が正しいか確認できるようにするため、冷蔵庫内にも温度計を設置することとした。
観賞用鉢植えについては、病棟ナースステーションのカウンターなどに観賞用の植物が置かれていたが、易感染性の患者が入院していることから、植物などは置かないこととした。また、お見舞いのために持ち込まれる花などについては、すみやかに自宅に持って帰るよう患者に協力を依頼することとした。

〔調査チーム〕
病棟の汚物室に廃棄するとの取り組みに関して、理想的には良いと思うが、実際に運用上の問題はないか。

〔事務局〕
既に撤去した病院の話しでは、実際に撤去してしまっても習慣化されれば適切に分別ができているとのことであったので、その意見を参考に検討し、実施することとした。

〔委員〕
カミソリやハサミの管理については、共通・共同で使う洗面台に、個人用のカミソリやハサミは持ち込まないということで、これは感染問題ではなく医療安全の問題となるが、カミソリ等の持ち込みが問題を起こすこともあるので、売店にはカミソリなどを置かないこととしている病院もある。持ち込みも禁止している。
報告による様々な危ないものが置かれているので、医療安全の観点から管理をした方が良いと思う。
清拭タオル保温車については、使わない方向でとのことであるが、これについて無くしてしまうということか。

〔事務局〕
理想的には完全に廃止してディスポタオルにすれば良いが、実際には経費がかかることから、バシラスなどの菌が発生しアウトブレイクの事例もあったということが文献でも確認されているので、まず第一段階として、いきなり廃止はせず、基本的には使用する日に乾燥したタオルから必ず使用し、清拭が終了した段階で清拭車は必ず空にして保管することとした。使用しなかったものについては、必ず洗濯に出すという対応としている。また、今年度中に清拭タオルや清拭車をどうしていくかについては、関係部署と検討する。

〔委員〕
予算や手間が大変であるが、感染の原因となり得るものなので適切な対応をお願いする。

〔調査チーム〕
看護師の手洗いは、時間や手順も適切であったが、医師については、時間も短く手順も簡略化されたものであった。手指衛生を実施するからには実効性が伴わなければならないので、実施率に加えて実効性を担保するよう、引き続き指導をしていただきたいと考える。
防護具に関しては、実際にどうやって付けて、どうやって外すか、手袋を最初に外してからという順番があるが、リンクナースは必要なときにそのセクションで自らが見本となって行うなど、仕事をしながら教えるというのが一番効率が良いと思うので、リンクナース教育を引き続き推進していただきたいと考える。
続いて経路別の予防策として、経路別の予防策にプラスαの標準予防策が必要となってくるケースもあるので、そういう策をとる場合は、患者に係わる全ての職種が簡単に情報を共有する必要がある。ある病棟ではネームボードに標準予防策が必要という記載があったり、違う病棟ではそれがホワイトボードであったりするので、どこを見れば良いのか統一した方策が必要である。全病棟で全職種が共通した情報を共有する方策を確立していただければと思う。
風疹や麻しん、水痘、風疹、流行性耳下腺炎に関する対応マニュアルを整備してもらいたいと思う。
次に術後創感染予防については、マニュアルに規定されており問題はない。
医療器材の管理に関しても、特段問題はないが、サーベイランスの結果を見直しにつなげていただければと思う。
人工呼吸器の回路の交換や点検については、MEセンターで管理しているとのことで、安全管理を担保する上で非常に有効であると考える。
洗浄・消毒・滅菌については、浸漬消毒は行われているが、物が浮かんだ状態となっていた。液に漬かっていないところは消毒効果が得られないので、消毒交換が必要にならないような業務化を進め検討いただければ業務の簡素化につながると思う。
使用後の鋼製小物、血液が付着しているハサミなどは、血液が固まると洗いにくいということがあり、病棟で一時洗浄しているが、病棟での一時洗浄は体液曝露のリスクが高まるので、病棟での一時処理は省いて、中央材料室で集中的に消毒管理する方向で検討いただければと思う。
内視鏡センターは、非常によく管理されており、消毒液の管理から全てチェックされていた。非常にすばらしいと思った。あえて要望するとすれば、内視鏡はいろいろな診療科で使用するが、できれば中央化し一括管理できるようにすると安全性が向上すると考える。
次に医療廃棄物であるが、特段問題はない。
微生物検査室では、安全キャビネットのメンテナンスや、HEPAフィルター交換の定期的な実施ができる体制を整えていただければと考える。また、ダンボール類が床に近いところに置かれていたおり、日常的な環境整備の必要性が見られたので、職業感染の醸成という観点からも改善が望まれる。
その他では、水飲み場に冷水機が設置いるが、定期的なメンテナンスと水質確認の実施、その実施記録管理が必要と考える。

〔事務局〕
感染対策は全ての職員で実施するものであり、看護師ばかりではなく医師にも手指衛生の実施が必要であることから、院内感染防止対策委員会・感染対策チームに所属する医師には率先して現場の医師に指導していただくこととした。
経路別予防策で、感染症患者の情報の共有方法が統一されていないとのことについては、感染症に関する情報を統一するため、年度内に院内感染防止対策マニュアルに経路別予防策の表示に関する項目を作成して、院内に周知し統一できるようにしていく。
医療器材の管理におけるサーベイランスについては、引き続きデータを活用して、見直しを実施していきたいと考えている。
洗浄・消毒・滅菌のスポンジやタワシの管理については、スポンジ等は使用したら洗浄し乾燥できるよう保管することとなっているが、交換の時期については明確になっていなかったので、交換時期を使用開始後1週間とし、汚染がひどい場合にはすぐに交換することとした。また、使用後は洗浄し固く絞って、吊るして乾燥できるよう保管することとし、今年度中に、スポンジの代替品やコストなどを検証し、スポンジを廃止するか、使い捨てにするか検討する。
使用後の鋼製小物の病棟での一時洗浄については、廃止することとした。使用後の機材については凝固防止剤を塗布した後に、蓋つきの箱に入れ一時保管し中央滅菌室に搬送することとした。
微生物検査の安全キャビネットのメンテナンスについては、可能であれば予算処置し、メンテナンスを実施することとした。なお、今年度実施できない場合には、来年度実施することを検討する。また、ダンボール類が床に直接置かれているなどの日常の環境整備については、段ボールを直接床に置かないよう職員に対して、再度注意喚起を行った。また、一時的な保管のために段ボールを使用する場合は、床に直接接触しないよう台を設置することとした。感染対策チームでラウンドを実施し、実際に環境整備ができているかどうか継続して確認することとした。
その他の水飲み場の冷水機の定期的なメンテナンスと水質確認については、チェックリストを作成し残留塩素の測定を含めた定期的な点検を行うこととし、点検結果は、事務局(施設担当)で保管することとした。

〔委員〕
標準予防策の医師の手洗いについては、どこの病院でも指摘されることである。病棟の患者の病室を出入りするときに必ずアルコールで手指消毒をするように言っても、実施している医師が少ないのが現実である。定期的に手洗い未実施者のチェックをするなどが必要と思われる。個人名を挙げないと実施されないところもあり、ある大学では、感染担当の先生が全ての教授の手洗い状況を一覧表に作成し実施を促したとのことである。しかし、それもしばらく経つと元に戻ってしまい院内感染の原因になってしまうとの話しがあった。これはどこの病院でも難しい問題と考える。
洗浄・消毒・滅菌では、医療関係者の感染を防ぐという視点でいくつかの新しい方策を行うというのは非常に良いことであると思う。
内視鏡の管理は、中央管理化すべきであると言われているが、消化管内視鏡だけであれば中央管理化も可能と思う。いろいろな診療科を含めた場合には非常に難しく、また、予算も非常にかかることとなる。中央化することで必要台数が数倍に増加し、加えて洗浄用の器材も揃えなくてはならなくなる。
現実的には消化管内視鏡を中央管理化して、それ以外は各科で保管し、洗浄機を購入して複数台で行うのが一番良いと思う。

〔事務局〕
消化器と呼吸器の内視鏡については、内視鏡室で全てを一括洗浄・消毒をしている。泌尿器科、耳鼻科でも使っているが、人員等の制約があって各外来看護師が、内視鏡室看護師の指導を受けながら洗浄・消毒をしている状況である。

〔委員〕
洗浄機を使っているのか。

〔事務局〕
自動洗浄機で行っている。

〔委員〕
その方法が一番現実的であると思う。
その他の清掃業者が管理している物品の取扱いについては、病院側から指摘しても徹底されない部分もあり、どこの病院でも苦労していると思う。
感染対策については、これで検証を終了する。

(感染対策 検証終了)

【結果:感染対策は、調査チームから指摘・要望された56項目の改善及び参考・引用文献の表記方法の統一化(団体名、発行年月日、最新化など)を進めることとし、検証を終了する。】

 

イ 生理・検体等検査関係業務
調査チームから、調査報告書について説明。

〔調査チーム〕
生理検査部門については、マニュアルの表紙の作成日が異なっていたところがあったので、修正をお願いする。
心電図の検査については、前回値をチェックするために、MUSEシステムから前回値を表示する点では、一手間かかっているような印象はあるが、現行システムの運用では、チェック機構に問題はなく、うまく運用されていると思う。
呼吸機能検査については、フィルターを滅菌後に再使用しているということがあるが、感染対策の観点から、基本的には可能なものはディスポーザブルすることが望ましいと思われる。
検査室は全体的に整理整頓がされており、電源コードや障害物などがないよう配慮されているが、検査用ベッドは移乗があるので、可能であれば電動ベッドの導入が望まれる。
医療事故防止マニュアルについては、本質的な問題ではなく、一部に誤字あったので、修正をお願いする。
各マニュアルについて内容的な問題はないが、マニュアルはいつ作成され、誰が承認したのかということは重要であり、文書の作成者・作成日および承認者・承認日を確認できるような書式が望まれる。
精度管理は、内部・外部を含め、実施にあたって記録の保持は当然であるが、不具合が生じた際の対応として、各検査室内で具体的な事例に対してどのように対応するかの策を構築することが望まれる。
機器の保守にあっては、先程と同様、記録は当然に必要であり、実施者と実施日を記入できる様式を用いて機器の管理を行っていただければと思う。
検査データでパニック値を報告する手順書はできているが、その際に診療科へパニック値を報告したという記録は検査室内で保管し、その報告に対してどのようにレスポンスがあったかを含めて記録することを勧める。
検体・細菌検査オーダ運用フローがあるが、メーカーが提示した書式のままのためにわかりにくい。マニュアルは誰が見ても、特に新人が来たときも同じ操作でできることが重要でなので、共通認識ができるようなマニュアルを、できれば独自のマニュアルがあっても良いのではないかと思う。
全体を通して、手順書等はかなり整備されており、特に何かが足りないというものはない。
問題は如何に作られた手順書が実際に運用できるかであり、検査が変更になった場合に、検査室の職員はもちろん、全職員に周知徹底をしなければならないので、その周知徹底の方法と記録をどのように行っていくか検査室内でのルール作りが必要と感じた。

〔事務局〕
生理検査部門のマニュアルの表紙の作成日については、速やかに修正した。
心電図検査の前回値をチェックするためのシステムについては、電子カルテ導入時より、心電図検査についてはMUSEシステムを導入した。過去のデータに対して前回との比較が速やかにできるようになっている。問題があればさらに過去の検索もできるようになっている。心電図変化が、このシステムを導入してから非常にわかりやすくなっており、医師も即時に見れるようになっている。
これからも同様なチェック機構をしていきたいと思う。
呼吸機能検査のフィルターについては、滅菌後再使用していたが、2013年3月に実施されてから、感染対策面から滅菌再生ではなく、患者ごとにディスポーザブルに変更した。
電動ベッドについては、現状では、電動ベッドの購入は難しいため、院内にある使用していない電動ベッドの活用も検討したが、サイズが小さく移動ができないことから、超音波検査に使うには不適当ということで断念した。なるべく早い時期に購入できるよう働きかける一方で、購入できるまでは、検査室医療事故防止マニュアルに記載されているように、患者の移動時には技師が付き添い、必要に応じて介助して、安全にベッドへの移動をするよう注意を払っていく。
マニュアルの誤字は修正した。文書の作成者・作成日及び承認者・承認日を確認できる様式については、院内感染対策マニュアル、医療事故防止マニュアルは、各委員会の承認を得ている。しかし、院内全体の問題ともなるが、書式として残していないので、今後院内で統一していきたいと思う。検査室内の業務マニュアルは、作成日と作成者を記入した。
精度管理の外部精度管理調査については、年間3回ほど実施しているが、現行の精度管理調査ではA又はB評価を得ることが望ましいとされており、得られなかった項目は、原因と対策を記録する検査室共通の様式を6月に作成したので、平成25年度分から記録する。毎日行っている内部精度管理は、不具合が生じた際の対応について、部門ごとの業務マニュアル中に追加記載するよう周知する。
機器の保守について、今まで記録様式のなかった分析機は新たに様式を作成し、6月中旬から記録をつけている。
パニック値の報告は、検査室共通の様式を作成し、平成25年6月5日分から記載を始めた。
検体・細菌検査オーダ運用フローがわかりにくいとの指摘については、フロー図を活かす中で、検査部独自で作成した検体到着からのフロー図を付け加え、検査の流れ全体を理解できるようにした。
手順書等の職員への周知徹底方法については、検査室では検査方法等の変更で、検査室職員だけに関係することは、回覧文書を作り全員が確認している。また必要に応じまして検査室内の勉強会を開催し職員が身に付けるようにしている。検査室以外の職員に関連し徹底させる必要のあるものについては、院内メールを送信し、かつ文書でも知らせしている。今後は、院内HP内に検査室からのお知らせや情報を掲載し、院内の職員が閲覧できるような仕組みを作る準備している。

〔委員〕
災害時のマニュアルの勤務時間外に災害が発生した場合の職員参集の規定が、震度5以上の地震となっている。東日本大震災の場合も甲府市では震度5強の揺れがあったが、特に大きな被害は無かったことから、参集基準を震度6以上に修正した病院等もある。
市立甲府病院では、どのように考えているか。

〔事務局〕
院内全体の災害対策マニュアルの見直しが計画されているので、検査室の災害時マニュアルもその方針に従った形で検討する。

〔委員〕
検査の更新日付が問題になっているが、表示が月だけとなっている。例えば2011年5月となっているが、日にちまで表示すべきであると思う。

〔調査チーム〕
手順書の内容が改定された場合、何がどのように変わったかという更新履歴がほとんどないので、改訂履歴をきちんと残す必要がある。いつ何がどのように変わったかということが全ての手順書に必要と思う。

〔委員〕
検体・細菌検査オーダ運用フローや画像生理検査オーダ運用フローについては、マニュアルとして採用するのか、参考資料として採用するのかどちらなのか。

〔調査チーム〕
メーカーから提示されているものは参考資料として取り扱うこととしている。その資料を基にして独自のマニュアルを作っている。メーカーから提示されたものをそのまま使える場合もあるが、できればメーカー提示のものは参考資料にした方がよいのではないかと思う。

〔委員〕
感染対策でも指摘があったが、文献がほとんど記載されていない。

〔調査チーム〕
一つひとつの検査項目について標準作業手順書を作ると、当然それに対する引用文献や参考図書などが全て出てくると思う。それらは手順書につけて作るべきであると思う。また、機器に関しても若干参考図書などがあると思うので、ある場合は表記した方が良いと思う。

〔委員〕
外注に関してのマニュアルを作る必要はあるか。

〔調査チーム〕
今回指摘はしていないが、本来は外注に関するマニュアルも作った方が良いと思う。

〔委員〕
外注に関しては、毎年、項目が変わるとともに外注項目も多いので、あらかじめ雛形を作り、今年度は何を外注するかを決めるというような方法はどうか。

〔事務局〕
外注に関するマニュアルを作成していなかったので、今後検討する。

〔委員〕
臨床を行っていると外注項目は非常に大事である。
病理検査マニュアルで、例えば他院から紹介されてきた患者が検査標本プレパラートを持ってきた場合に、市立甲府病院では診断をするか。

〔事務局〕
行っているとは聞いていない。

〔委員〕
セカンドオピニオン的に来院し、診断をして欲しいという場合がある。診断をする病院もあるが、その場合、病理プレパラートに関しては、後で返却するようなものは証拠が残らないことから行わないこととしており、全部寄贈されるものだけを診断するとのルールを決めている。あるいは無染色のプレパラートを借りてきて追加で染色するなどがある。今後、こうした依頼は増えてくると思う。
生理検査部門は、いくつか指摘された点があるが、このまま精度管理等に努めていただきたいと思う。文献については記載する方が良いと思う。改訂についても年月日を表示すること。業者作成のマニュアルについても使いやすければ良いが、比較的使いにくそうなものは独自のものを作成していただければと思う。

(生理・検体等検査関係業務 検証終了)

【結果:生理・検体等検査関係業務は、調査チームから指摘・要望された11項目の改善及びマニュアルへの参考・引用文献の表記、改訂履歴の作成、運用フローの再考、外注マニュアルの作成を進めることとし、検証を終了する。】

 

(2) 今後の日程について

〔事務局〕
本日をもって予定した検証作業を一通り終了した。
今後、本日の第5回の分と過去4回分についても、指摘事項に対する対応状況ついて直近の内容に修正し、5回分をまとめて委員に報告し、その後公表していきたい。

3 閉会・院長あいさつ

第1回目の「医療事故防止マニュアルの総論」にはじまり、本日の「感染対策」と「生理・検体等検査関係業務」まで、医療安全の多岐にわたり詳細な検証をいただいた。
RI検査問題の把握以降、再発防止に向けて課題への対応や体制の再構築を図ってきたが、当検証委員会からの指摘により改めて多くのことを気付かされた。
患者様の信頼を確固たるものとするために、全ての病院職員が医療安全への意識を更に高め、日々の業務の中で実践していく。

医療安全体制等検証委員会 第5回委員会 決定・指摘等事項

〔決定事項〕
1 感染対策は、調査チームから指摘・要望された56項目の改善及び参考・引用文献の表記方法の統一化(団体名、発行年月日、最新化など)を進めることとし、検証を終了する。

2 生理・検体等検査関係業務は、調査チームから指摘・要望された11項目の改善及びマニュアルへの参考・引用文献の表記、改訂履歴の作成、運用フローの再考、外注マニュアルの作成を進めることとし、検証を終了する。

3 本日の第5回の分と過去4回分の指摘事項に対する対応状況ついて直近の内容に修正し、5回分をまとめて委員に報告し、その後公表する。

 

〔指摘・要望事項〕
1 感染対策

  • 調査チームによる56項目の指摘・要望事項は、別紙「指摘等事項に対する対応状況一覧<感染対策>」を参照。

2 生理・検体等検査関係業務

  • 調査チームによる11項目の指摘・要望事項は、別紙「指摘等事項に対する対応状況一覧<生理・検体等検査関係業務>」を参照。