トップ > RI検査問題 > 市立甲府病院医療安全体制等検証委員会 > 会議録(平成24年7月17日)

会議録(平成24年7月17日)

平成24年7月17日「委員委嘱式及び第1回委員会」会議録のPDF版はこちらPDFファイル(162KB)


  医療安全体制等検証委員会 委員委嘱式・第1回委員会 会議録

 

日 時:平成24年7月17日(火曜日)
17時00分~
会 場:第1会議室

出席者
委  員、4名
職  員、16名
事務局 、5名

〔委嘱式〕
1 委嘱状交付

2 市長あいさつ

〔第1回委員会〕
1 開会及び資料確認
2 委員及び職員紹介
3 委員会の目的等の説明
事務局から、委員会の目的等について説明。
〔質問・意見〕
特になし

4 委員長の選任
事務局から、市立甲府病院医療安全体制等検証委員会設置要綱第5の規定により、委員長は委員の「互選」により定める旨説明。

〔委員〕
事務局から推薦があればお願いしたい。

〔各委員から同意する旨の発言あり〕

〔事務局〕
4名の委員は、それぞれ専門の立場で当院の医療安全を評価・検証いただくということから、医師、看護師、組織運営、法律の専門として就任いただいた。
特に医療安全の運用の中心を担うのは、医師であることから、事務局案としては、委員長を山梨大学の武田正之先生にお願いをしたい。

〔各委員から同意する旨の発言あり〕

【結果:委員長は山梨大学武田正之委員に決定する。】

5 委員長あいさつ
私が、これまで力を注いできた山梨大学医学部附属病院の医療安全対策の経験と、それぞれ専門の立場にある3名の委員の協力を得ながら、市立甲府病院の医療安全体制が万全なものとなるよう全力で当たりたい。

6 副委員長の指名
事務局から、市立甲府病院医療安全体制等検証委員会設置要綱第5の規定により、委員長が委員の中から「指名」をする旨説明。

〔委員長〕
病院の医療安全対策は、医師と医師以外の医療関係者とのチームで行わなければならない。そうした中で看護師の力は極めて重要であることから、山梨県立大学看護学部の松下教授に副委員長をお願いしたい。

〔各委員から同意する旨の発言あり〕

【結果:副委員長は山梨県立大学松下由美子委員に決定する。】

7 議事(議長=委員長)
(1) 会議の公開・非公開について
事務局から、公開・非公開の考え方について説明。

〔委員〕
本日の議事の内容には個人情報が出るということはないので、公開で進めていきたい。

〔各委員から同意する旨の発言あり〕

【結果:本日の会議についは「公開」とすることに決定する。なお、議事録の中で個人情報に係わる部分が出た場合は、その部分を除いて市立甲府病院ホームページに掲載していく。】

(2) 市立甲府病院の概要について
① 病院の概要について
事務局から、病院の概要について説明。

〔質問・意見〕
特になし

② 医療安全体制、医療事故防止マニュアルの概要について
事務局から、医療安全体制、医療事故防止マニュアルの概要について説明。

〔委員〕
統括リスクマネージャーは現在1名で従事形態は専任か。

〔事務局〕
1名で専従である。

〔委員〕
リスクマネージャーの複数配置の予定はあるか。

〔事務局〕
今のところ予定はない。

〔委員〕
看護部リスクマネジメント委員会は、リスクマネージャー会議よりも先に設立されていたのか。

〔事務局〕
医療安全管理対策委員会の設立時に、看護部独自に検討する委員会があり、これを看護部リスクマネジメント委員会と称し、医療安全管理対策委員会の下部組織として位置づけた。
※リスクマネージャー会議は、平成24年1月に設置。

〔委員〕
看護部リスクマネジメント委員会は、リスクマネージャー会議とは別に会議が開かれているのか。

〔事務局〕
別々に会議が開かれている。医療安全管理対策委員会の会議結果等をリスクマネージャー会議を通じて全職員に周知している。

〔委員〕
医療安全管理部門の中に統括リスクマネージャーがおり、その下に部門リスクマネージャーがいて、その全体の会議としてリスクマネージャー会議を定期的に行い、職員に周知していくという基本的な形である。
リスクマネージャー会議と看護部リスクマネジメント委員会をどのように有機的につなげていくかが重要であり、どのように考えているか。

〔事務局〕
ご指摘の点は、リスクマネージャー会議が設立して日が浅いこともあり、今後の課題であると認識している。

〔委員〕
医療スタッフの中では看護師が一番人数が多く、患者さんとの接点も一番多いことから、ヒヤリハットの報告も一番多い部門である。このため看護部では独立した活動がされている。
病院全体のリスクマネジメントの活動にどのように反映されてくるのかが重要な課題である。

〔委員〕
医療安全管理部門の中に医療安全対策ミーティングがあるが、医療安全対策に係わる取組みの評価等を行うカンファランスを週1回程度開催することとなっており、ここで現実的なことを頻繁に協議するのであると思う。それを上位へフィードバックして最終的にリスクマネージャー会議で検証していくという形で動いているということはすばらしいと思う。

③ 医療安全の活動実績について
事務局から、医療安全の活動実績について説明。

〔委員〕
医療安全職員研修会は、非常に重要なこととして厚生労働省からも実施が求められている。市立甲府病院では年9回行われている。
全職員が最低2回受けなければならないが、実際は全員が2回受講できているか。

〔事務局〕
平成23年度は受講できなかった職員もいたことから、追加研修やDVDによる研修を行った。

〔委員〕
実際の業務が忙しいことから、決められた時間に研修に出席することは大変なことである。病院として追加講習やDVDによる研修を実施しており、研修形態としては良いのではないかと思う。

〔委員〕
ヒヤリハット情報は、この病院ではレベル0ないしはレベル1としており、件数479件はまずまずな数であると思う。あらかじめたくさん報告しておくことが重大な事例を防ぐこととなるので、できればもっと増やして欲しい。
※レベル0とは、間違った行為が実施される前に気が付き、患者には実施されなかった事例のこと。
※レベル1とは、間違った行為が実施されたが、患者に被害(変化)が生じなかった事例のこと。

〔委員〕
ヒヤリハット報告は、どこの病院でも同様に看護師が一番多く、ドクターが少ないが、ドクターの比率をできれば上げて欲しい。
また、複数の部門で同時に報告することも望ましいので件数を増やして欲しい。

〔委員〕
ヒヤリハット報告は、具体的にどのような手順・システムで報告・集計されるのか。

〔事務局〕
報告手順は、ヒヤリハットであると認識した時点で、当事者が報告システムに入力する。その内容は各部署のリスクマネージャーと所属長が確認し、分析と対策を検討した上で、医療安全管理室に報告される。

〔委員〕
このヒヤリハット報告で一番大事な点は、間違いを起こしたことが駄目なことというのではなく、事例の内容と改善策を病院全体に知らせ、スタッフが共通認識を持つことである。
万が一、インシデントのレベルが進んでしまうと重大なことが起こってしまうので、芽が出た段階で止めようとするシステムであり、たくさん報告を出すこと自体に意味がある。

〔委員〕
ヒヤリハットの報告・集計は、基本的にはデータベース上で入力すれば誰でも閲覧でき、各部門リスクマネージャーが交代でチェックしていくような体制が一番良いのではないかなと思う。

〔委員〕
ヒヤリハットが数多く報告されるということは、注意力が高まっているということで、安全対策という点では非常に重要なことであると思う。他方でその件数が増大してくるということは問題発生が多くなっているということではないかと思う。
ヒヤリハット報告の合計件数を見ると増加する傾向にあるが、一面ではそういう積極的な側面があるものの、他方では問題発生の芽が増えていると言え、どのように評価したらよいのか。

〔委員〕
非常に難しい点であるが、ヒヤリハットは10年以上前に厚生労働省が提唱したもので、患者に全く被害が出ない間違いであるレベル0とレベル1をたくさん報告することで、結果として報告件数が減っていくというものであった。しかし、全国の統計をみても必ずしも減る傾向にはない。
レベル4やレベル5のリスクの高い事例が増えることは好ましくなく、これは増えてはいない。
また、患者は高度な医療を求めており、患者数が増えて忙しくなっても職員数が同じであればリスクが増えてくる。
こうしたことなどを総合的に判断して現状がどうなのかを把握して、様々な方向から対応を考えなければならない。
※レベル4とは、事故により、障害が一生残存する事例のこと。
※レベル5とは、事故が死因となった事例のこと。

〔委員〕
マクロ分析では、事故レベル別の集計となっているか。

〔事務局〕
マクロの分析はヒヤリハットであるレベル0とレベル1について集計したものである。

〔委員〕
ヒヤリハットの増減をみることで、傾向がわかる。
一定基準よりも極端に少ない場合はヒヤリハットの認識が低いなどの職員の資質的な問題が多かったのかもしれない。また、報告件数が多すぎるところはかなり努力して報告している可能性もあるが、リスクが高かったということも言える。

〔委員〕
何度も報告することには問題はないのか。

〔委員〕
ヒヤリハットを分析することで、例えばミスを犯しやすい人を特定できる可能性があり、それにより集中的に勉強を促したり、リーダーを通じて研修を促すことができることとなる。

(3) 今後の進め方について
今後の進め方について説明。

〔質問・意見〕
特になし

【結果:今後の進め方については、1.総論、2.放射線関係業務、3.薬剤関係業務、4.手術室業務、5.病棟業務等、6.医療安全・感染対策体制、7.生理・検体等検査関係業務、8.その他委員会の指示する業務等の順位で進めていくことに決定する。】

(4) 次回の開催について
次回の開催について説明。

〔委員〕
今後4回会議を開催するに当たり、検証順位の割当とかはあるか。

〔事務局〕
次回は総論の残りと放射線関係業務についてお願いしたい。

〔委員〕
検証の対象となる資料や具体的な検証課題のようなものなどは、当日配布となるのか。

〔事務局〕
次回は1週間ぐらい前には配布する。

〔事務局〕
それぞれの分野の専門家に事前に調査をしてもらい、その結果を委員会の開催前には各委員に配布し、委員会の中で協議いただくということを考えているが、いかがか。

〔委員〕
事前調査を専門の方にお願いすることが良い。専門家として誰に依頼するかなどは委員会の中で話し合って決める。

〔各委員から同意する旨の発言あり〕

【結果:委員会日程は、第2回を9月下旬~10月上旬の間で、第3回を11月中旬~下旬の間で、第4回を2月中旬を目途に開催する。第2回委員会は、総論の残りと放射線関係業務の検証を議題とする。資料等は委員会開催1週間前には委員へ配布する。次回以降は、事前に専門家に調査を依頼し、その結果を委員会で協議・検証する。以上を決定する。】

8 閉会・院長あいさつ
当院では、「いのちに光を 心にやすらぎを」の基本理念のもと、安全で安心な医療の提供に向けて、医療従事者一人ひとりが危機管理意識を持ち、組織的、体系的な安全対策に取り組んできたが、RI検査問題により、改めて当院の医療安全体制の欠陥が明らかになった。
問題の把握以降、再発防止に向けて課題への対応や体制の再構築を図ってきたところであるが、より患者様の信頼を確固たるものとするためには、全ての病院職員が医療安全意識を更に高め、日々の業務で実践していくことが必要であると痛感している。
委員には、それぞれのご専門の見識の中で、当院の医療安全体制全般を客観的視点から厳しく評価・検証くださるようお願いする。

 

医療安全体制等検証委員会 第1回委員会 決定・指摘等事項
〔決定事項〕
1 委員長は、武田正之 委員とする。
2 副委員長は、松下由美子 委員とする。
3 第1回委員会は、公開とする。会議録は、個人情報に係わる部分を除いて市立甲府病院ホームページに、概要を掲載する。
4 検証順位は、次のとおりとする。
(1)医療事故防止マニュアル総論
(2)放射線関係業務
(3)薬剤関係業務
(4)手術室業務
(5)病棟業務等
(6)医療安全・感染対策体制
(7)生理・検体等検査関係業務
(8)その他委員会の指示する業務等

5 委員会日程は、第2回を9月下旬~10月上旬の間で、第3回を11月中旬~下旬の間で、第4回を2月中旬を目途に開催する。
6 第2回委員会は、総論の残りと放射線関係業務の検証を議題とする。
7 資料等は委員会開催1週間前には委員へ配布する。
8 次回以降は、事前に専門家に調査を依頼し、その結果を委員会で協議・検証する。

〔指摘事項〕
特になし

〔要望事項〕
特になし

〔改善事項〕
特になし

以上