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会議録(平成24年9月27日)

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医療安全体制等検証委員会 第2回委員会 会議録

 

日 時:平成24年9月27日(木曜日)
17時00分~
会 場:第1会議室

 

出席者
委 員、4名
調査チーム、1名
職 員、17名
事務局、4名

〔第2回委員会〕

1 開会及び資料確認

2 議事(議長=委員長)

〔委員長〕
議事に入る前に、本日の会議の公開・非公開について、委員の判断を得たい。
第1回委員会の状況なども踏まえ、各委員には、より率直で忌憚のない意見を期待する。特に、これからの具体的な審議を進めていく中では、個人情報に係わる内容や他病院の状況などの情報を用いての意見や説明が必要となってくると思う。
率直な意見交換をする上では、非公開とすることが望ましいと考えるが、委員の判断を伺いたい。

〔各委員から同意する旨の発言あり〕

委員の非公開とする判断を得たので、本日の会議は非公開とする。

(1)  医療安全体制の検証
ア 放射線関係業務

調査チームから、調査報告書について説明。

〔調査チーム〕
8月の約1ヶ月間をかけて、市立甲府病院で使用されているマニュアル等の内容チェック、及び8月末に現場の訪問調査を、RI部門と画像(放射線)診断部門、放射線治療部門の3部門について、それぞれ最も知識が豊富で経験が豊富な者が作業を担当した。
現場の実態の全体評価としては、概ね大きな問題はないということで基本的には総括される。個別に小さな問題はあり対応状況一覧表にまとめられている。
今回のRI検査問題の検証の背景にあった情報や報告、相談についての閉鎖性に関しては、特に問題なく行われており、お互いにスタッフ間で問題点や相談事があれば話しをしやすい環境になっていた。また、様々な情報のチェックは、ほぼ問題がないと判断している。

〔委員〕
指摘事項が全部で35項目あるが、大きな問題はあったか。

〔調査チーム〕
特にこれという大きな問題はなく、マニュアルの用語表記が場所によって異なるなどの細かいことであり、すぐに改善されると思われる。
RI部門に関しては、基本的には事故の再発が起こるような環境・状況はないと見受けられた。
個別には、RIマニュアル記載の投与量が具体的に記載していない。また、テクネシウム99のECD脳血流シンチに対する成人投与量が、マニュアル上600MBq×2となっているが、現在もっと小型のものが使えるように規格が変わっているので、400MBqの2倍の方が適当ではないかということである。しかし、決して600MBq×2が法外に高いとかこれ自体が問題な量ということではなく、どちらかといえば400MBq×2の方が良いのではないかという提案のレベルである。
その他、核医学部門では看護師の負担が大きいので、そこに問題が発生すると困るのではないか、また、文書や帳簿類をもう少し整理したほうが良いのではないかという、あえて指摘しているものである。
診断部門に関しては、マニュアルの細かい用語の修正等の指摘がされている。
核医学以外の診断部門の訪問実態調査に関しては、概ね大きな問題はないと思われるが、撮影方法として、グリッドの使用の仕方とか、高圧にするか低圧にするかということで、グリッドなしの低圧にした方が良いのではないかというものである。
血管造影室のモニター配置は、操作室からわかりづらいのではないかというものである。
大事なポイントとしては、造影剤の問診票の確認部分が徹底されていないのではないかという指摘で、再確認を取れるような対応が良いのではないかというものである。
次に治療部門は、事故時の連絡網の徹底や大地震が発生したときの対応についてマニュアルに掲載した方が良いのではないかとの提案である。
大事なポイントとしては、放射線障害防止法に規定されている放射線業務従事者、いわゆる放射線同位元素に接する場所で業務をしている者に関する教育訓練の定期的(年6時間)な実施があるが、院内では実施されていないようであるとする指摘である。
その後、状況を確認したところ、医師や技師については院外で同様の講習会を受講しているということであったが、看護師等に関しては十分ではないとのことである。これは確実に徹底されると良いと思う。
報告書に記載はしていないが、教育訓練を年に1回行うと、被曝の話やRIを取り扱うときの注意すべきポイントが非常に細かく指導されるので、放射線障害防止法上は非常に限られた者だけが対象となっているが、出来れば医療法で規定されている放射線診療従事者、フイルムバッヂを持っている全てのスタッフ、特のRI等に出入りしている職員には、できるだけ教育訓練に参加するようにすると、今回のような思い込み等による問題も発生せず、RIに関する知識が病院スタッフに啓蒙されるという良い機会になるのではないかと思う。
院内で実施する教育訓練の対象者を放射線障害防止法だけではなく医療法上の関係者とすればよいとする追加の提案である。
治療部門のスタッフ数に関しては、学会等が提示している基準があるが、若干人数的に少ないのではないかというもので、技師に関してはもう1名、医師に関しても少し配置した方が良いのではないかというものである。
サーベイメーターはしっかり校正し、モニターをした方が良いのではないかというものである。
また、放射線治療部門だけではないが、スタッフ間の認識統一のためのカンファレンスを定期的に行い、特に治療部分では頻繁に実施した方が良いのではないかというものである。法律の規定ではないが、医療安全の確保のためには大事なポイントであると思われる。

〔委員〕
核医学部門のマニュアルの記載方法等は、すでに病院として対応済みのようであるが、核医学部門の看護師の負担については、病院側の見解はどうか。

〔事務局〕
今まで放射線診断部門の医師が行っていたRIの注射を、看護師が実施するようになったのは、医師の多忙が要因で、看護師に行ってもらえないかということで、看護師が行うようになった。
しかし、看護師も多数の検査を掛け持ちしたりして、非常に多忙となってしまっていることから、放射線部門の看護師の増員をお願いしていくこととしている。

〔調査チーム〕
業務分担を明確にして、看護師の増員が叶えば良いと思う。

〔委員〕
放射線診断部門のグリッドを使用しないほうが安全性が高いという提案についてはどうか。
〔事務局〕
小児や乳幼児にはグリッドを使わない撮影が一般的であり、当院では被曝をより少なくしようということでグリッドを使い、電圧を上げることで軟線除去という形で撮影を行ってきている。
被曝線量自体は実際に検査してみないとどちらが少ないといったことは一概に言えないが、乳幼児に関しては被写体が薄いものであることから、肺紋理がしっかり読影できるかどうかがポイントであると思う。
この点に関しては小児科医師や呼吸器医師とある程度のコンセンサスを得ていろいろな情報交換をしていかないと、どちらが良いのかとは今現在では結論が出ない状況である。
今後、検討していく。

〔委員〕
小児でも身体の大きさはだいぶ違うが、乳児とか小さいお子様はどちらが良いかとの結論は出ていないのか。

〔事務局〕
3歳くらいのお子様で立つことが可能な患者様は、グリッドを使って準高圧という80kvから100kv位の管電圧で撮影するのが一般的である。
3歳以下で介助が必要な患者様は、大電流で撮影時間は1,000分の1とか1,000分の2とかで撮影できるので、どちらに主眼を置いていくのかが1つの問題であると思う。
今後、検討していく。
なお、現在の撮影条件では被曝線量が多くなるということは決してなく、被曝低減には十分努めており問題ない。

〔委員〕
造影剤注射に関する問診票を患者に再度確認する過程については、すでに実施しているか。

〔事務局〕
はい、実施している。

〔委員〕
自然災害等に関する備えは、放射線部門だけではなく病院全体の災害マニュアルなど各部門でも用意しておくことが必要である。
放射線障害防止法で規定されている教育訓練の定期的な実施については、病院側の見解はどうか。

〔事務局〕
医師と専任の技師については、教育訓練が免除可能な対象となっているが、ローテート技師及び看護師に関して実施していない。
指摘により、まずは院内での教育訓練を実施することとし、実際に看護師から始めた。
今年度は、年度途中であることから、個別実施としているが、来年度からは他施設と同様に教育訓練を実施するよう院内体制を構築する。

〔調査チーム〕
技師が院外の講習で良いとする点については、記録やチェックがされているのか。

〔事務局〕
最初の時点ではなかったが、現段階では免除可能の対象となっており、今回まで実施していなかったものである。
院外講習あるいは取扱主任者講習等に参加することで一部の職員は免除が可能なところに達しているという理解である。

〔調査チーム〕
いつ誰が受講したかということは、記録に残しているのか。

〔事務局〕
記録として残しており、放射線障害防止法の監査で了解を得ている。

〔委員〕
義務ではないが、もう少し上を目指して良い方向にするということでは、医療法で規定されているフイルムバッヂを有する医療関係者全員を対象に行うべきではないかと思う。

〔事務局〕
被曝軽減など放射線部に係る基本的な説明は受けているが、放射線障害防止法の範囲内での放射線業務従事者に対する教育訓練を実施していなかったものであり、医療法の範囲内では行われている。

〔調査チーム〕
医療法で規定する放射線業務従事者も講習会の前半部程度に参加することで安全性が高く評価されることとなる。
特に人体への影響やRIの取り扱いなどが評価される。

〔事務局〕
院内で検討する。

〔委員〕
スタッフの増員に関しては、病院の意見はどうか。

〔事務局〕
現在、放射線治療部門は常勤医が1名と技師が2名となっている。技師全体の定数を増員することで放射線治療部門の定数も1名増員の3名となったが、傷病休暇や産前産後休暇などの取得やRI検査問題の対応等によって、一時的に2名となっている。
非常勤医も大学からの派遣があったが、大学の事情もあり途絶えてしまっている。今後は放射線部内で調整するとともに、再度大学へお願いをするなど、スタッフの充実に努めていきたい。

〔委員〕
県内には放射線治療施設が4台程度と少なく、患者数も増加しているので業務もかなり忙しくなっていると思うので、安全面も考え対応を検討して欲しい。
被曝管理用サーベイメーターの定期的な校正については、病院側の見解はどうか。

〔事務局〕
放射線治療部門に、サーベイメーターは常備されているが、定期的な校正を行っていなかったので、指摘を踏まえ、定期的に校正をして行きたいと思う。

〔委員〕
RI部門は定期的に校正しているのか。

〔事務局〕
通常RIの出入り口でチェックするハンドフットクロスモニターは当院にはないので、サーベイメーターで定期的なチェックをしている。理想は年1回の校正が望ましいとされているが、そのペースでの測定器の校正はしていない。
今後検討していきたい。

〔委員〕
放射線部門には被曝管理用サーベイメーターは何台あるか。

〔事務局〕
現在、核医学と放射線治療と、一般撮影系で兼用のものがあり、サーベイメーターとしては2台ある。

〔委員〕
RI部門のサーベイメーターを是非校正するようお願いする。
カンファレンスについても、他職種も含め定期的なカンファレンスは要求されているので、実施して欲しい。
スタッフの学会活動や研修への参加は、病院の支援として、できる限りお願いをしたい。

〔調査チーム〕
教育訓練に関しては、取扱主任者が集中的に管理するのは不可能なので、事務方の支援・サポートによる管理が必要と思う。

〔委員〕
教育訓練の管理は、どのセクションが行うか。

〔事務局〕
職員の研修ということになると学術研修委員会があるが、そこで管理をするというものではないので、職員研修の記録管理ということからすると総務課となる。

〔委員〕
講習会の参加状況の定期的なチェックを、総務課でよろしくお願いする。

〔委員〕
マニュアルの統一は、語句だけではなくて体裁を整える必要があると思う。
例えば、放射線部のマニュアルは、冒頭に作成の目的が明記されており、放射線治療室のマニュアルも、はじめが記載され、その後に7つにわたる原則が明記されている。
他のマニュアルでは、そうした記述がなく、いきなり手順に入るなど精粗がある。
目的や原則、基本を明示すれば、マニュアルの事項が多数になっても整理され理解されやすいのではないかと思う。

〔委員〕
確かに指摘のとおり、目次が明記されていないのでわかりづらいと思う。
全体の目次を作成しページ数を入れ、総論各論などの項目や目的を記載した方がわかりやすいと思う。
すべて修正するとなると時間がかかるが、各論は除いて、冒頭部分は統一した方が良い。
放射線治療の同意書は必要ないのか。

〔事務局〕
放射線治療の同意書は、依頼手順に記載されており、同意書をとることとなっている。

〔委員〕
放射線科の場合、インターベンションラディオロジーに関してマニュアルが別にあるのか。

〔事務局〕
マニュアルはないが、患者への説明要旨や同意書はある。

〔委員〕
インターベンションラディオロジーは、非常に重要な傾向になっており、マニュアルはあった方が良いのではないかと思う。

〔委員〕
放射線関係業務についてはこれで検証を終わるが、病院側から何か意見があるか。

〔事務局〕
委員から指摘のあった核医学部門の文書帳票類の量の点について補足する。
今回のRI問題を受けて核医学(RI)検査は、様々な対応を慎重に行ってきた。そのため薬剤師は調剤に係わらなければ配置の必要はないのではとの指摘があるが、違う部門の眼によるチェックをしていきたいという思いがある。
帳票類の多さについても、取り出した放射性物質の線量を測定した値を貼り付けるという手続きを一つひとつ踏んで行うこととしている。病院としては非常に煩雑になるが実施していくとの方針で行っている。

〔事務局〕
放射線障害防止法で規定されている教育訓練と、フイルムバッヂを持って放射線診療に参加する者の教育について欠けていたので、病院として放射線に従事する者の教育訓練に取り組んで行く。

(放射線関係業務 検証終了)

【結果:放射線関係業務は、調査チームから指摘・要望された35項目の改善及び追加提案のあった教育訓練の対象者の拡大と職員研修の管理の検討、委員指摘のマニュアルのフォーマット・用語の統一の改善対応を進めることとし、検証を終了する。】

イ 医療事故防止マニュアル「総論」

〔委員〕
医療事故防止マニュアル26ページに市立甲府病院医療安全管理体制図があるが、院長の下位にある統括医療安全管理者と医療安全管理部門との関係性、指示命令や連携などの関係性が、この組織図ではわかりづらく、また、14ページにある医療安全管理室の構成の表記とも矛盾しているのではないかと思う。
医療安全管理体制図が現実に則しているのか、機能的なのかという点で疑問を持った。

〔事務局〕
患者相談部門や医療安全管理対策委員会、医療安全管理室は、法律で設置が義務付けられており、設置している。
医療安全の総体的な管理責任者は誰であるかという疑問が生じたことから、改めて当院の医療安全管理に関する責任者として院長が指名する者をもって統括医療安全管理者としたところである。この統括医療安全管理者が医療安全管理全体に関する権限を持ち、患者相談部門や医療安全管理対策委員会、医療安全管理部門に関しても全責任を負うということになっている。
また、医療安全管理対策委員会の委員長は、統括医療安全管理者が兼ねることとなっている。
事故調査委員会は、医療事故が発生した場合に開催されるが、開催権限は院長と統括医療安全管理者が持っており、事案の重要度によって決定者が異なる。この事故調査委員会の事務は患者相談室が行うこととなっており、体制図では線がつながっている。

〔委員〕
実態に即しているのかが良くわからない。
統括医療安全管理者には院長から直接指示が出され、統括医療安全管理者が医療安全対策委員会を招集するようになっているのか。

〔事務局〕
医療安全管理対策委員会の委員長は、統括医療安全管理者が兼ねることとなっている。また、患者相談室や医療安全管理室の責任者も統括医療安全管理者となっており、指示命令系統もそのとおりになっている。

〔委員〕
医療安全管理部門との関係性も良くわからないところである。

〔事務局〕
医療安全管理部門と医療安全管理室とは同意義であり、医療安全管理室は構成や所掌も決まっている。
構成は、室長と専従の看護師である医療安全管理者(統括リスクマネージャー)1名となっており、その下位に各部門のリスクマネージャーを設置している。部門別リスクマネージャーも医療安全管理室の中に入り、医療安全管理者の役割は、リスクマネージャー会議の招集や医療安全対策ミーティングの毎週1回の開催などを所掌しており、体制図では線をつなげた形としている。
また、医療機器安全管理責任者や医薬品安全管理責任者が決められており、統括医療安全管理者の責任範囲に入り医療安全管理対策委員会の下位に位置付いている。この各責任者の上部組織は医療安全管理対策委員会となっている。

〔委員〕
もう少しわかりやすい表記があるのではないかと思う。

〔委員〕
統括医療安全管理者は院長ではなくて副院長なのか。

〔事務局〕
院長が総責任を負うが、医療安全管理の実施などに関しては統括医療安全管理者が指示を出し責任を負う。

〔委員〕
事故調査委員会を開催する場合の招集も統括医療安全管理者が行うのか。

〔事務局〕
重大な医療事故の場合は院長が招集する。

〔委員〕
定期的な会議には院長も入っていると思うが、開催の招集は統括医療安全管理者が行うのか。

〔事務局〕
医療安全管理対策委員会は、各部門の責任者で構成しており、院長もメンバーとなっているが、医療安全管理対策委員会の委員長は統括医療安全管理者となっている。

〔委員〕
前回も議論をしたが、様々なインシデントがヒヤリハットとして報告され、統括リスクマネージャーがチェックを行い、重要なものは統括医療安全管理者に報告されるという手順になるか。

〔事務局〕
ただちに報告しなければならないものは、医療安全管理室長と統括医療安全管理者へ報告する。

〔委員〕
もっと重要なものは、院長へ報告されるのか。

〔事務局〕
まず統括医療安全管理者に報告し、統括医療安全管理者の判断で院長に報告する。

〔委員〕
医療安全管理室長は、統括医療安全管理者の下位に位置づくのか。

〔事務局〕
統括医療安全管理者の下位に位置づき、医療安全管理室長は医療安全管理室が所掌することの指揮を取ることとなっている。
医療安全管理室の業務は、医療安全管理対策委員会で決定された方針に基づき組織横断的に院内の安全管理を担い、決定事項の各部署への周知や、医療安全対策の実施状況・評価結果の記録・検証など行う。
また、ヒヤリハット報告などリスクマネージャー会議で出された医療安全に対する事項について、医療安全対策管理委員会の議題の作成などが主な業務となる。

〔委員〕
医療安全管理室に係わる各部門のメンバーは、何名ぐらいいるか。

〔事務局〕
部門のリスクマネージャーは38名おり、医療安全管理室の職員は専任の室長と専従の統括リスクマネージャーの2名となっている。また、患者相談担当が庶務を兼ねて1名いる。

〔委員〕
ヒヤリハットが多数あがってきた場合は、統括リスクマネージャーが1人で全部処理をするのか。24時間関係なく報告が出てくるし、処理も紙ベースで行うということであれば、非常に大変な手間が掛かると思う。

〔事務局〕
現在、報告は端末に入力し、そのデータをフロッピーディスクに取り込み、医療安全管理室に届けられる手続きとなっている。

〔委員〕
大量の報告があがってきて、それを1人で把握するのは大変なことと思う。複数のリスクマネージャーがローテーションで仕事をするなどのシステムを構築した方が軽減されると思う。
看護部のリスクマネジメント委員会は、師長会に近いのか。

〔事務局〕
師長会とは違う。
看護部リスクマネジメント委員会は、看護部の中のリスクマネージャーで構成する会議である。

〔委員〕
看護部のリスクマネジメント委員会と医療安全管理室を上手く実質的に機能させ、院長から直轄的に統括できるようなシステムの組織がやりやすいのではないかと思う。ただし、病院によって事情は違うので一概には言えない。
ただちに体制を変えるようにとのことではないが、体制図が非常に分かりづらいこともあるので、病院として一番機能しやすい形が良いと思う。
医療安全管理室は、事務職員は係わっていないのか。

〔事務局〕
患者相談部門(総合相談室)の患者相談担当が事務職員で、同一のフロアーで業務を行っている。

〔委員〕
医療事故防止マニュアルについても、各分野で精粗がある。
例えば小児科を見ると、総論として小児の医療事故の特徴が数点整理されており、その次に医療事故を防止するための基本原則が明記されていることから非常にわかりやすく、また、担当する職員も基本的な方向を認識しながら各論へ入っていける形となっている。
その他いくつかの部門も同じような形式をとっているが、残念ながらなっていないところもある。
放射線科は、いきなり造影はどうするのかなどが記載され、わかりづらい形となっている。
時間をかけてでも整理・統一化を図り、各部門で特徴・基本はどこにあるかなどを明記することが必要であると思う。この整理を行うことで、いかに詳細な項目が多数あったとしても、マニュアルを理解することが出来るのではないかと思うので、是非お願いしたい。

〔委員〕
機能評価を受ける場合は、マニュアルを厳しくチェックされるので、時間を掛けても統一したほうが良いと思う。
先程の放射線関係業務についても目次がないことから、全体を統一するフォーマットを作成した方が良いと思う。

〔委員〕
市立甲府病院医療安全管理対策委員会要綱の第2条の任務の中に、「ニアミス」「医療ミス」「医療事故」「医療紛争」などの用語が記載されている。また、医療事故レベルの判断基準には「アクシデント」と「インシデント」という言葉が使われているが、同じマニュアルの中で様々な用語が使われている箇所が多数あることから、基本的な用語の統一も行っていったほうが良いと思う。
また、附表がいくつか掲載されているが、マニュアルのどこに基づく附表なのか記載がないことから、読み取っていくしかないこととなる。
マニュアル全体の整理が必要であると思う。

〔委員〕
医療事故は、医療者側に過失があろうがなかろうが患者に支障が生じてしまうようなものを医療事故といい、例えば手術で合併症が起こったものなども医療事故に計上することもある。
医療過誤は、あくまでも過失があって患者に何らかの支障が起こったものと定義している。

インシデントなども定義があるので、最初に用語統一をし、マニュアルの中の用語を一致させていくということは、当然必要であると思う。
用語統一など直すべき点は、継続的に蓄積させ修正し、わかりやすいマニュアルにして欲しいと思う。

〔委員〕
要望になると思うが、医療安全管理の組織的な取り組みという観点から考えると、医療安全管理対策委員会はどんな活動をしているのか、活動内容を見えるようにする必要があると思う。

〔委員〕
医療安全管理対策委員会の会議結果は、リスクマネージャー会議を通じて全職員に周知されるということであった。
毎月1回行うとか定期的に行うという内容の記載がされていない。

〔委員〕
実際には実施していると思うが、定期的な開催等が業務内容の中に明示されていない。

〔委員〕
医療安全管理室は、何を業務として行っているのか見えない状況である。
開催していることはわかるが、実際にどのような活動をしているのか、そこでの成果とかを市民にわかるような形にしていくと、職員も自分たちの行っていることが実感できるし、市民の方々も自分たちの病院が行っている安全活動を理解できることとなるので、外部への発信を行っていった方がよいと思う。

〔委員〕
医療安全管理対策委員会の業務内容や議事録、医療安全管理室のヒヤリハットを公表するということはできないので、例えば病院の中で定期的に開催している講習会に、こういう人に来てもらって医療安全について話してもらい、今後の安全対策に役立っているなどのことを、病院のニュースの中で出すことが良いのではないか。
医療安全活動に関して定期的に講演会は開催しているか。

〔事務局〕
講習会は規則どおり行っている。

〔委員〕
全員が年に何回か参加しているのか。

〔事務局〕
年に9回開催し、95~97%程度の参加率となっている。

〔委員〕
参加率は100%達成しないとならず、参加状況を年度末まで調べておき、欠席した職員に直接伝えることが必要である。

〔事務局〕
医師に関しては参加状況を全て調べて、追加講習会に出席しなかった医師にはレポートを提出してもらうこととしている。

〔委員〕
講習会のビデオを撮影し、そのビデオを1週間程度視聴できるようにしておき、それを見に来て、レポートを書いてもらうなどの方法をとらないと100%にするのは難しいことだと思う。
もっと厳しいのが感染症関係で、講習会の開催回数が少ないことなどから参加者がどうしても少なくなってしまう。

〔委員〕
5S活動については、非常に一生懸命行っていると思う。起こってしまった事故への対策というよりも、未然防止のための様々な活動を行っているので、イメージアップが出来るような活動の一端を発信すると良いのではないかと思う。

〔委員〕
平成23年度医療安全に係わる課題の改善状況について、処理状況が完了ということで完結したことと思うが、医療安全というのは、例転倒転落事故など同じようなことが繰り返し起こると思う。取り組んで終了ということではなく、取り組んだことが実行され続けるような継続的なPDCAサイクルが回る仕組みづくりをどのように考えているか。

〔委員〕
各部門での活動内容の報告会やワークショップ形式の事例検討会などは開催しているか。

〔事務局〕
月に1回リスクマネージャー会議を開催し、各部門で何らかの医療安全に係わる取り組みとその効果を含めて報告をしている。
事例検討については、医療安全管理対策委員会で検討をしている。

〔委員〕
職員が参加して、活動につながった方が良いと思うので、活動報告会なども講習会と同様に点数制により行った方が、職員もやる気が出て、効果につながっていくと思う。

〔委員〕
ワークショップ形式を研修に取り入れることがマニュアルに記載され、取り組まれているので、職員の医療安全に対する姿勢は見えるが、研修会の振り返りや次の評価を行うなど循環する形になればよいと思う。

〔事務局〕
全部署を対象に5S活動の研修会を行う中で、今年度は部署ごとに成果を発表していくこととしている。良かった内容は表彰をするなど、継続した取り組みを進める。

〔委員〕
様々な取り組みを行っていると思うが、目標がどのように達成され次年度の目標につながっていくかなどの連続的な取り組みが必要と思う。

〔事務局〕
看護部の医療安全に係る会議では、各病棟ごとに同様のヒヤリハットが発生した場合はその対策を講じ、3ヵ月後に評価して、会議で発表することとしている。少しでも改善できればと考えている。

〔委員〕
マニュアル全体に誤字やわかりづらい部分があるので改めてチェックして欲しい。
また、オカランス報告の手順を見ると、事故が起こった場合には出来るだけ早く報告書を作成することとなっているが、期限を区切らないと報告が出てこないのではないか。

〔委員〕
インシデント、ヒヤリハット報告が提出された際に、第一報の内容はそのままの文書で残し、あとで内容を確認修正して最終報告書として残すという場合どのくらい時間がかかるか。

〔事務局〕
インシデントの場合は1週間以内としている。

〔委員〕
報告の流れは、医療安全管理室にフロッピーディスクで報告があがり、内容確認をして、修正が必要な場合はフロッピーディスク担当に戻し、また修正したものを提出してもらうこととなるのか。

〔事務局〕
報告を受け取って統括リスクマネージャーが修正をし、差し戻すようにしている。
〔委員〕
報告の第一報は担当者である医師や看護師が行い、その後の修正はリスクマネージャーが行うのか。

〔事務局〕
そうです。

〔委員〕
重大な事例の場合に緊急の事故調査委員会を開設するには、1週間程度の時間を要すると思う。
報告の方法については、電子カルテ上に搭載されたシステムで行った方が、フロッピーディスクで移動するよりは、労力も安全性も向上すると思う。

〔事務局〕
現在使用しているソフトは、電子カルテを搭載している端末では使用できないもので、専用パソコンを使用している。

〔委員〕
現在、厚生労働省関係から様々なソフトが出ているので、それらを活用した方が簡単ではないかと思う。

〔事務局〕
来年度の導入に向けて検討している。

〔委員〕
医療安全に関する基本的な考え方の中に、患者参加、患者の協力を得て、一緒に患者を守っていくという考え方を基本に据えておいた方がよいと思う。
マニュアルにも記載されているが、患者の意識も一緒に高めていったほうが良いのではないかと思う。

〔委員〕
レベル2以上はどの程度あるか。

〔事務局〕
レベル2以上は事故報告となり、レベル2が23件、レベル3が46件の69件である。

〔委員〕
レベル4と5はどうか。

〔事務局〕
レベル4と5は0件である。

〔委員〕
レベル3の中で3bはどうか。

〔事務局〕
レベル3bは5件である。

〔委員〕
件数は少ないと思う。インシデントは、報告件数を増やしていかなければならないと言われている。報告するシステムが簡単であればあるほど件数は多くなってくるものである。
例えば、薬剤部での処方間違いや手術での合併症なども、処理は大変になるが、現在は報告する方向となっている。
来年の4月以降に電子カルテに搭載され、院内コンピュータで活用できるような新しいシステムが入れば、結果報告の仕方も変わると思う。

〔事務局〕
現在、ソフトの検討を進めているが、導入時期は未定である。

〔委員〕
頻繁に改正され、しかも膨大なマニュアルが、どのように職員に受け入れられ、受け入れられるよう促しているのかが問題である。
改正し、担当部署へ周知した場合、職員一人ひとりが音読する必要があると思う。
特に、修正した箇所は重要であり、数年前にマニュアルは勉強したから大丈夫という感覚であってはならない。
マニュアルの周知については、どの程度行われているのか。

〔事務局〕
マニュアルを改定した場合は、医療安全管理対策委員会とリスクマネージャー会議、看護部リスクマネジメント会議において、まず委員へ配布周知し、1冊ずつある各部署の医療事故防止マニュアルの差替えを配布するとともに、電子カルテ上の院内ホームページにも掲載する。
また、昨年度は、最終の職員研修会において医療事故防止マニュアルの改定についてと題して、統括医療安全管理者から大きな変更点の説明を行った。

〔委員〕
総論の部分は質問や意見があれば毎回行って行きたいと思う。

〔委員〕
総論に関しては、大体意見が出たが、引き続き次回以降の委員会で意見を出して行きたい。
放射線関係業務に関しては、指摘のあった点を改善して欲しい。
また、総論の中で重要な点は、マニュアルのフォーマットの統一と用語の統一をして欲しい。インシデントの報告についても、効率的な方法を検討し進めて欲しい。

【結果:医療事故防止マニュアル「総論」は、委員指摘の医療安全管理体制図の再考、ヒヤリハット報告の効率的方法の検討、マニュアルのフォーマット・用語の統一、医療安全活動の情報発信の検討、継続的な活動方法及び結果検証のシステム化の検討、職員に対するマニュアル内容(改正点を含む)の浸透方法の検討の改善対応を進めることとし、次回以降も引き続き検証する。】

3 次回開催について

〔事務局〕
次回の日程については、12月20日に木曜日の午後5時00分からの開催を考えている。内容は、「薬剤関係業務」と「手術室業務」を予定している。

〔各委員から同意する旨の発言あり〕

【結果:次回開催は、平成24年12月20日(木)午後5時00分から開催することとし、議題は「薬剤関係業務」と「手術室業務」を予定する。】

4 閉会・院長あいさつ

放射線関係業務と医療事故防止マニュアルの総論について、指摘のあった事項を改善し、今後の当病院の医療安全体制の確立に向けて取り組んでいく。

以上 

 

医療安全体制等検証委員会 第2回委員会 決定・指摘等事項

〔決定事項〕
1 放射線関係業務は、調査チームから指摘・要望された35項目の改善及び追加提案のあった教育訓練の対象者の拡大と職員研修の管理の検討、委員指摘のマニュアルのフォーマット・用語の統一の改善対応を進めることとし、検証を終了する。

2 医療事故防止マニュアル「総論」は、委員指摘の医療安全管理体制図の再考、ヒヤリハット報告の効率的方法の検討、マニュアルのフォーマット・用語の統一、医療安全活動の情報発信の検討、継続的な活動方法及び結果検証のシステム化の検討、職員に対するマニュアル内容の浸透方法の検討の改善対応を進めることとし、次回以降も引き続き検証する。

3 次回開催は、平成24年12月20日(木)午後5時00分から開催することとし、議題は「薬剤関係業務」と「手術室業務」を予定する。

〔指摘・要望事項〕
1 放射線関係業務

  • 調査チームによる35項目の指摘・要望事項は、別紙「指摘等事項に対する対応状況一覧<放射線関係業務>」を参照。

2 医療事故防止マニュアル「総論」

  • 医療安全管理体制図を再考すること。
  • ヒヤリハット報告の効率的方法を検討すること。
  • マニュアルのフォーマット・用語を統一すること。
  • 医療安全活動の情報発信を検討すること。
  • 医療安全活動の継続的な活動方法及び結果検証のシステム化を検討すること。
  • 職員に対するマニュアル内容の浸透方法を検討すること。