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呼吸器腫瘍センター

はじめに

呼吸器腫瘍センター長 大木善之助

 2016年4月より市立甲府病院呼吸器内科では、甲府市を中心とする山梨県内の肺がんをはじめとする胸膜中皮腫や縦隔腫瘍などの胸部悪性腫瘍の診断・治療のさらなる向上を目的に呼吸器腫瘍センターを開設いたしました。

我が国のがんによる死亡者数は年間34万人を超え、増え続けております。
そのうち肺がんによる死亡は年間7万人前後に達しており、肺がん治療のニーズは、ますます高くなってきております。
近年、分子標的薬の導入の進歩により一部の肺がん患者様では飛躍的な予後の改善が見込めるようになりましたが、肺がん全体としての治療成績は、いまだ十分とは言えない状況です。

肺がんの治療成績改善には、肺がんの早期発見・診断技術の向上は勿論、最新の標準治療を円滑に、迅速に、正確に提供できる場が必要と考えております。

 

特徴

胸部悪性腫瘍の診断・治療

肺がんをはじめとする胸部悪性腫瘍の診断・治療では、手術、薬物治療、放射線治療の 集学的治療が必要なケースが多く、当センターでは、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科、病理科の医師をはじめとする他職種がキャンサーボードを毎週水曜日に開催、治療方針など決定しております。

薬物治療

薬物治療においては、従来からある抗がん剤治療も徐々に効果や副作用が改善され無増悪生存期間も延長されてきています。
当センターでは2004年5月に抗がん剤治療を受ける患者様のみを利用対象とした外来通院治療室を開設、日常生活を営みながら治療を受けることを可能とし、患者様のQOLの改善や医療費削減に貢献してきました。

近年、肺がんではそれに加え分子標的薬という新たな薬物治療選択枝が生まれました。
分子標的薬は、がん化遺伝子の働きをブロックする薬物であり、患者様個々のがん組織やがん細胞の遺伝子を調べさせていただきがん化遺伝子が認められた場合に選択されます。
分子標的薬は手術不能な進行期肺がんの無増悪生存期間を飛躍的に改善する可能性が高いため、当センターでは肺がん患者様のがん化遺伝子の有無を可能な限り調べるようにしています。
2015年度の抗がん剤治療を行った新規肺がん患者様は36件、分子標的薬治療は10件でした。

また2015年末に第3の薬物治療選択肢として免疫チェックポイント阻害剤が認可されました。
多岐にわたる重篤な副作用が報告されており治療対象となり得る症例選択が難しい治療薬ですが、慎重にかつ積極的に導入していきたいと考えています。

緩和ケア

胸部悪性腫瘍の患者様は、肉体的にも精神的にも様々な痛みに苦しみます。
当センターでは緩和ケア内科に協力していただき、その痛みを軽減するよう適切なタイミングで介入していただいております。

 

受診について

当センターで胸部悪性腫瘍の診断・治療を受けたい患者様、健康診断で胸に異常を指摘された方は、月曜日から金曜日までの午前11時までに内科外来の受付にお越しください。
左記外来診療のご案内をご参照ください。

医療機関からの紹介について

地域の病院・診療所からの紹介も可能ですので、かかりつけの医師にご相談ください。
ご紹介いただく先生方におかれましては、地域医療連携室(病診連携システム)を通じて受診予約をお願いします。