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胃がん

胃がんは全世界で年間約100万人が罹患するとされており、日本ではがん死亡の第2位を占めます。胃がん発生については、喫煙や食生活などの生活習慣や、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染などが原因となるとされています。

 

診断

胃がんの診断はX線検査と内視鏡検査によりなされます。バリウムと発泡剤による空気で胃の壁を映し出す方法は二重造影法と呼ばれ、検診に広く用いられており、日本において早期胃がんの割合が多く、治療成績が他の国々よりも良好であるのはこの二重造影法による検診の普及によるものです。
内視鏡検査は機器の発達により、楽に検査が受けられるようになり、画像も鮮明で、診断能も向上しています。内視鏡検査の利点に直接胃内を観察し色調の変化が捉えられること、色素を散布しコントラストを強調できること、組織をつかみ取り病理学的診断ができることなどがあげられます。さらに、胃周囲のリンパ節や遠い臓器への転移の診断をするのに腹部超音波検査、CT検査などが行われます。
また、検診としてペプシノーゲン検査という血液検査があります。萎縮性胃炎の強い人に胃がんが多いという理論から行われます。

 

治療

胃がんの治療は、手術(外科治療)、内視鏡治療、薬物療法(抗がん剤治療)の3つが中心になり、治療法は、病期(ステージ)に基づいて決まります。

 

  1. 早期胃がんの治療
    転移の可能性の低い早期胃がんに対しては、内視鏡的切除術、縮小手術(開腹手術、腹腔鏡手術)などが、それぞれの進行度に応じて選択されます。
  2. 進行胃がんの治療
    進行がんに対しては、標準手術(標準的な範囲でリンパ節を摘出すること)、拡大手術(より大きな範囲でリンパ節を摘出すること、周囲臓器を合併切除すること)などがありますが、それぞれの進行度に応じて慎重に適応を決める必要があります。
    肝臓などの他臓器転移や腹膜播種(がん細胞がお腹中にまき散ること)を併発した切除不能進行胃がん(IV期)では、化学療法(抗がん剤)による治療が選択されます。病状によっては遠隔転移があっても、胃がんだけを切除する手術(減量手術)を行ったり、がんからの出血や狭窄のために食事が十分にとれないときは、病変がある胃を切除したり、食物の通り道をつくるバイパス手術や内視鏡的にステント留置が行われる場合もあります。


出典:国立がん研究センターがん対策情報センター