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肺がん

肺がんはがん死亡原因第1位の非常に手強い悪性腫瘍です。非小細胞肺がん(腺がん、
扁平上皮がん、大細胞がん)と小細胞肺がんの大きく4つの組織型に分類され、腫瘍の大きさ・リンパ節や他臓器への転移の有無などによりIA期からIV期の進行度に分類されます。
診断時の組織型と進行度、加えて患者様の全身状態や合併症を総合的に評価し最適な治療に入ります。

 

診断

気管支鏡検査、CTガイド下生検、胸腔鏡下生検による組織診断に努めます。喀痰細胞診や胸水細胞診が診断に有用な場合もあります。
5つの画像診断、すなわち胸部X線、胸部CT、頭部MRI、骨シンチにPET検査を組み合わせIA期からIV期のいずれの病期(進行度)に合致するかを検討いたします。

 

治療

完全切除が可能と考えられるIA期から3期の一部までは手術が第一選択となります。患者様のニーズや年齢や全身状態などから放射線治療(定位照射を含めた根治的照射)が選択されることもあります。当院における2013年度の肺がん手術は30件、定位放射線治療は14件となっております。
広範なリンパ節転移や遠隔転移を認める場合や小細胞がんでは主に薬物治療が選択され、放射線を併用する場合もあります。
薬物治療においては、従来からある抗がん剤治療も徐々に効果や副作用が改善され無増悪生存期間も延長されてきていますが、それに加え分子標的薬という新たな選択枝が生まれました。分子標的薬は、がん化遺伝子の働きをブロックする薬物であり、患者様個々のがん組織やがん細胞の遺伝子を調べさせていただきがん化遺伝子が認められた場合に選択されます。分子標的薬は手術不能な進行期肺がんの無増悪生存期間を飛躍的に改善する可能性が高いため、当院では肺がん患者様のがん化遺伝子の有無を可能な限り調べるようにしています。
2013年度の抗がん剤治療を行った肺がん患者様は96件、分子標的薬治療は18件でした。