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大腸がん

大腸がんは近年急激に増加しており、がん死亡の第3位(女性では第1位)を占めます。
大腸がんは大腸粘膜の細胞から発生し、腺腫(せんしゅ)という良性腫瘍の一部ががん化して発生したものと、正常粘膜から直接発生するものがあります。大腸がんの症状として多く認められるのは、血便、便通異常(便秘や下痢)、腹痛、腹部膨満、貧血などです。便に混じった微量の血液を検出する便潜血検査は、大腸がんの早期発見のために健康診断でも広く行われています。

 

診断

  1. 大腸内視鏡検査
    直腸から盲腸までの大腸全体を詳細に調べます。異常がみられた場合は、一部組織を採取したり、病変部の表面構造を拡大して観察(拡大内視鏡)し、内視鏡で根治可能な早期がんと手術が必要な病変との判別を行ったりします。大腸内に便が残っていると十分な検査ができませんので、検査当日に腸管洗浄液を1~2リットル飲んで、大腸内をきれいにしてから検査を行います。
  2. 注腸造影検査
    肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮ります。この検査でがんの正確な位置や大きさ、腸の狭さの程度などがわかります。
  3. CT検査、MRI検査
    転移や周辺の臓器へのがんの広がりを調べることができます。
  4. PET(ペット)検査
    放射性ブドウ糖液を注射し、取り込まれている様子などを撮影することで全身のがん細胞を検出するのがPET検査です。超音波検査、CT検査、MRI検査、病理検査で診断が難しい場合や、腫瘍マーカーなどの異常から転移や再発が疑われる場合などには、PETで検査することもあります。

上記検査により、大腸の壁の内にがんがどの程度深く入りこんでいるか(深達度)、周囲組織への広がり(浸潤)の程度、およびリンパ節への転移や肝臓・肺などの遠隔臓器への転移の有無を判定し、病期(ステージ)を決定します。


「国立がん研究センターがん情報サービス」より

 

治療

  1. 内視鏡治療
    早期の大腸がんの中には、内視鏡切除で治療が完了する病巣も多く、粘膜表面にとどまる病巣や、粘膜下の浅い層(1mmまで)の進展で、リンパ管や血管に侵入していないがんでは、がん細胞が通常のタイプのものであれば内視鏡切除のみで根治が可能です。
  2. 手術
    外科手術の方法には、通常の開腹手術と腹腔鏡手術、経肛門的または経仙骨的な局所切除術の3つの方法があります。肝臓や肺へ転移していた場合でも、手術可能な時期であれば、外科療法により完全治癒が望めます。このように、大腸がんには外科療法が大変効果的です。
  3. 化学療法(抗がん剤)
    外科的切除が不可能な病巣に対しては抗がん剤を用いての全身化学療法を行います。近年では大腸がんに有効な抗がん剤治療が次々に開発されています。それだけでがんを根治するほどの効果は残念ながらまだありませんが、治療後の生存期間は年々長くなっております。