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乳がん

日本では乳がんが年々増加傾向で、がん登録から推定した乳がん罹患者数は年間6万人程度といわれ、女性のがん罹患数の1位となっています。日本人女性が一生のうちに乳癌になる確率は18人に1人という統計もあります。
日本人の乳がんは、30歳代後半から急に増加し40歳代後半が最も多く、70歳以上でも比較的多くみられます。

 

検査・診断

乳房に異常を感じたり、または検診などで異常を指摘されて受診した際に、まず行う検査として、視触診、マンモグラフィ、乳房超音波検査があります。
これら検査で良性か悪性の区別が付かない場合や乳がんを疑う結果が出た場合は、病変に細い針を刺して細胞を採取する穿刺吸引細胞診や、局所麻酔下でやや太い針を刺して行う組織診(針生検)などを行い診断します。
乳がんと診断され、治療を始める前に行う検査としては、下記の検査があります。

  1. 乳房内の乳がんの広がりを調べる検査(乳房MRI、CT検査など)
  2. わきのした(腋窩)のリンパ節に転移があるか無いか、多いか少ないかを調べる検査(CT、P超音波検査、PET検査など)
  3. 他の臓器への転移(遠隔転移)があるか無いかの検査(CT検査、骨シンチグラフィ、PET検査など)

 

 

治療

乳がんと診断された後、進行度や希望などを考慮し、1.手術療法、2.薬物療法、3.放射線治療、4.緩和ケア療法などを行います。

  1. 手術療法として、乳がんの大きさや広がりにより、乳房の一部を切除する乳房温存手術や乳房全体を切除する乳房切除術を行います。また、術前検査の腋窩リンパ節転移の有無により、センチネルリンパ節生検や腋窩リンパ節郭清を行います。
  2.   薬物療法は、抗がん剤、内分泌治療薬(ホルモン治療)、分子標的治療などを乳がんの性質(ホルモン受容体、HER2蛋白の発現など)や進行度に応じて、単独ないし複数を組み合わせて行います。最近は手術前に薬物治療を行った後、手術を行うことも多くなっています。
  3. 放射線治療は、手術後に温存した乳腺組織や乳房を切除した胸壁、リンパ節からの再発を少なくする目的で行う場合と、骨や脳への転移や再発病変の治療を目的に行います。
  4. 緩和ケアは、がんに伴って起きる精神的、身体的な苦痛を和らげる治療で、進行がんや終末期のがん患者さんだけが対象ではなく、乳がんの診断、治療と同時に早期から並行して始めるケアと考えられ、患者さんの状態をみながら緩和ケアチームとともに行います。